個人のFXのレバレッジ規制が25倍から10倍に。ここ10年の値幅を調べる

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日経新聞で金融庁がFX証拠金倍率を引き下げて10倍程度にする検討中と報道が有りました。

投資家保護が目的らしい

このところの為替の大きな変動により大きな損失を出している人達がいる。原因は高レバレッジ。レバレッジをかけすぎて僅かな値動きで大きな損失を出す人を守るため。ということだそうです。

25倍規制が始まったのは2011/8/1。その1年前は50倍規制。その前は100倍400倍という超高レバレッジがかけられ、10万円を1ヶ月で1億にしたという強運な人もいました。もちろん逆の人も大勢ですが。

為替は乱高下しているのか

10年のドル円チャートです。ここ1,2年で驚くような動きはしていません。年単位で見れば平常運転でしょう。

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高レバレッジが影響を受けるのは一日あたりの変動幅

長いスパンで考えている人は、値動きを考えてレバレッジを抑えています。秒分単位のスキャルピングの人はレバレッジが高くても損失が拡大しないうちに手仕舞いをします。

高レバレッジで問題になるのは数時間から数日の期間で運用している人でしょう。1日単位での値動きの激しい時に大きな損失を出している可能性が高い。

1日のドル円値幅をチャート化 10年分

年度ごとの1日の値幅チャート

1日の高値ー安値=値幅 でチャート化。

2017年は例年より値幅が小さい穏やかな相場。やっぱりお役所って・・・

2016年は英国のEU離脱で大きな値動き。トランプ大統領当選でも動いています。いずれも事前にわかるイベントですからここでレバレッジを掛けすぎて失敗する人を救済する必要はないような。

2015年9月の5円超えは、バーナンキ来日でのヘリコプターマネーへの期待から

2014年は比較的穏やかな動き

2013年前半は4円近い値幅の時期もありますが後半は穏やか

2012年は2017年よりも小さい値幅です

2011年3回ほど3円超えの日がありますが、全体としては小さな値動き

2010年5/6は6円近い値幅。NY株式市場でのフラッシュ・クラッシュがきっかけ

2009年値幅は比較的大きいですが4円を超えるような極端な変動はありません。

2008年はリーマンショックの年です。10月の値動きは突発的な一日だけではなく連日大きな値幅で動いているのが特徴的。

2007年夏に米国のサブプライムローンの貸し倒れが表面化。これがきっかけでリーマンショックにつながっていきます。

年度ごとの1日の値幅の標準偏差とグラフ

10年の値幅チャートは面白いですが、実際の変動幅をよりわかりやすということで標準偏差を求めます(正規分布検定は省略)

やはり2017年は変動幅は小さいことがわかります。ここ10年で2番めに小さい。変動が大きいので規制強化って・・・むしろ緩和の方向では。

高レバレッジで大きな損失を出すのは算数

レバレッジの計算は小学生レベルの算数です。高レバレッジで失敗している人は、そのレベルをクリアしてないわけです。レバレッジを抑えてもやっぱり同じような結果になると思います。

もちろん、今回の規制が算数苦手な人を救済する目的ではなく、利権的なあれってことは承知していますけどね。

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